Ⅰ学識経験者を含めた、出席者の貴重な意見はいったいどこに?!
出席した学識経験者・保育関係者・地域関係者等が多くの問題点を
指摘 第1回・12月22日
Ⅱ第1回目の意見を、なぜ第2回の議事進行に反映しようとしない
の?意見は聞くだけ! 反映しない! 2回目の意見交換会で立
証!! 第2回・1月26日
Ⅲ意見交換会日程終了前に「新総合施設構想案」文教常任委員会で報
告!学識経験者等の意見をも全く無視し、世田谷区は独自の構想案
を作成!区教委は意見交換会の内容を、文教委員(区議)に報告し
ていません!!
2月15日
Ⅳ世田谷区は「意見交換会」を考える以前に、区の幼児教育について
ゼロベースから話し合う「協議機関の設置」を考える事こそ、真に
求められる正当な手続きではないでしょうか?!
Ⅰ学識経験者を含めた、出席者の貴重な意見はいったいどこに?!
前回の通信でもお知らせしたように、羽根木・旭の廃園を前提とし、廃園の可否について発言は認められない。さらに民間活力を利用した「新しい形の総合施設」に転換する構想案検討のための意見交換会が公私幼稚園・公私保育園保護者が不在の中、昨年末、開催されました。
発言内容に制約があるにもかかわらず、出席した学識経験者・保育関係者・地域関係者から、「新しい形の総合施設」は世田谷区の子どもにふさわしいのか? 果たして本当に必要なものなのか? 多くの疑問の声があがりました。
出席した学識経験者・保育関係者・地域関係者等が多くの問題点を指摘
●幼保一元施設の多くは、過疎地域で幼稚園や保育園を単独で運営するこ
とが難しいため統合している。千代田区も子どもの数では過疎地域であ
る。そうした建物を合同にすることによるスケールメリットは世田谷区
にはあてはまらない。
●幼保一元化は保育園の待機児対策としての期待もあるが、総合施設が幼
稚園と保育園の基準の緩い方に合わせた施設設計となった場合、保育園
の運営に良くない影響があるのではないかという不安がある。
●サービス、サービスといって親の都合に合わせて保育サービス時間をど
んどん延長するのではなく、幼児期の子どもと接する時間を親が持てる
よう企業も含め、社会全体で考えるべきである。
●総合施設は、民間が運営する場合、売り物をつくって親を呼び寄せると
いう形に陥りやすい傾向もあるので、区立で運営することを検討しても
良いのではないか。
●既存の幼稚園、保育園と総合施設が機能分担するなら良いが、認可保育
園の役割が総合施設に移行されるとなると、長時間保育になる子どもた
ちのケアといった部分で就労家庭の子どもたちにとって良くないものに
なるという不安がある。
意見交換会では、新総合施設のあり方についての意見もありましたが、その一方で、新総合施設設置自体の是非を問う発言もあがっていました。(賛否を含む、すべての意見は2月7日報をご覧下さい。)
Ⅱ第1回目の意見を、なぜ第2回の議事進行に反映しようとしないの?
1ヵ月後、1月26日、今回も公私幼稚園・公私保育園保護者が不在の中、第2回意見交換会が開催されました。第一回の意見交換会でまだまだ、新施設構想以前の問題に話が及んでいたにもかかわらず教育委員会は、第2回目に話し合う内容を≪討論の柱立て≫としてあらかじめ決め、前回出された問題指摘を無視、議題から外す議事進行を設定してきました。
今回の討論の柱立てとして示したものは以下の通りでした。
≪討論の柱立て≫
・基本的機能について ・対象者について
・教育/保育の内容について ・開設日/開設時間について
・職員配置/施設整備について ・設置主体/管理運営について
・その他
≪討論の柱立て≫
規制にもかかわらず、第2回意見交換会でもやはり慎重論があがりました。
●区立幼稚園からの転換の場合、0歳児から5歳児までの子どもの保育室の
確保や生活と活動の場を分けることなどは施設面からとても難しい。
●区は働く親支援に偏っている。世田谷区は、3歳児の50%、4歳児の6
0%が幼稚園に通っていることから、家庭にいる保護者が損をするよう
な印象を受けさせないようにすべきであり、在宅保護者についても配
慮すべき。
●いろいろな機能を付加し何でもやるような施設はおかしいのではない
か。乳幼児の生活の場を保障するということが大切である。
(すべての意見の詳細は2月24日報をご覧下さい。)
意見は聞くだけ!反映しない! 2回目の意見交換会で立証!!
この柱立ての中には、12月の交換会で新総合施設設置自体について出された意見に触れる部分は無く、前回の意見を踏まえ、今回2回目の意見交換会をするという姿勢、頭を寄せて、建設的にそして本質的に、この問題を議論しようという姿勢は感じられません。ただただ、新施設着工を目指し、形式的なセレモニーをこなしているように感じられます。
Ⅲ意見交換会日程終了前に「新総合施設構想案」文教常任委員会で報告!
このように意見交換会でまだ、新施設の是非についての根本議論が交わされ、構想案についての第3回意見交換会(2月26日)がまだ開催されていないなか結果を勝手に先取りする形で区教育委員会は、2月15日、文教常任委員会の場で、世田谷区の就学前(幼児)教育のあり方についての案を報告しました。
学識経験者等の意見をも全く無視し、世田谷区は独自の構想案を作成! 「MAIL.JPG」をダウンロード
その中では、「お弁当、給食は選択とし、親の都合で自由に選択」など目に見える形態は案として示されている反面、保育内容等、保護者が具体的にしてほしい内容は「現行の幼稚園教育要領及び保育所保育指針に準ずる」と示されているのみでした。
区教委は意見交換会の内容を、文教委員(区議)に報告していません!!
意見交換会はやはり(私たちの予想通り)ただの形式的セレモニーに終わりました。
正式な協議機関でない限り、行政、教育委員会に区民の声は届かない。学識経験者等の意見すら反映されない。さらにそこで出された貴重な意見は文教委員会にも報告もされない。このような状況の中で、30年の歴史をもつ、区立幼稚園2園が廃園になり、残る9園の行く末もきめられていくのは正しいことなのでしょうか。
Ⅳ世田谷区は「意見交換会」を考える以前に、区の幼児教育についてゼロベースから話し合う「協議機関の設置」を考える事こそ、真に求められる正当な手続きではないでしょうか?!
少子化、そして、最近の子ども達を取り巻く環境の変化のなかで子どもの育ちについて議論されますが、文字、言葉による学校での一斉教育が始まる前に、カリキュラムに追われることなく、たっぷりとした時間のなかで、先生方の適切な指導のもと、仲間たちと自由な遊びをする過程で、日々の喧嘩や仲直りの場で道徳の芽を、砂場のドロ遊びのなかで化学の芽を、友だちとの色々な発表の中で自主性や協力や社会性の芽をと、いろいろな育ちの芽を培っている区立幼稚園の≪遊び中心の保育内容≫の中にこそ、現代の子どもを取り巻く問題をとく鍵があるのではないでしょうか。
― 小川博久先生は論文の中でこう言われています。―
≪・・・この過程で私立幼稚園を中心とする幼稚園の教育方針は、知的早教育やおけいこを重視し、親の教育欲求に答えることをおもな経営方針とする幼稚園の増大であり、それは自由な遊びを中心とする幼稚園の廃園の傾向を生むのである。・・・市場原理によって一方的に公立幼稚園を淘汰するという施策は、育児不安の根源を解消し、子どもの望ましい育ちを保証する施設保育を、育てる方向には向かわない。したがって、少子化への本質的解決にもならないであろう。≫
目の前にある、公立幼稚園の廃園問題は先生の言われるように、単にこの2園、そして9園の廃園か存続かといった問題におさまらず、私たちの子どものこれからの育ち全体にかかわるたいせつな問題です。
※私たちの活動は幼保を頭から否定するものではありません。
※保育園需要の問題をないがしろにするものでもありません。
※存続を願う46,000筆もの署名を集めた公立幼稚園を廃園し、その跡地から理念なき新総合施設を開設しようとしていることに疑問を感じるのです。
★私たちはそういった諸々のことを含め、子どもにとっての最善を考える協議機関の設置をこれからも強く求めていきたいと思っています。
年度が変り、新しく幼稚園に通う子どもの顔は変りますが、引き続き、この問題を考え、関心を持ち続けていただきたいと願っています。
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